エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
目が覚めると、柊哉さんが眠っていた形跡はあるもののベッドに一人だった。
喉が渇いてけほっけほっと空咳が出て、起き上がろうとすると下腹部はずーんと重く腰にはズキンっと痛みが走る。
「うっ」と思わず呻き声が出て、腕で支えながら何とか起き上がると何も身につけていない。
「えっ?」
服を着ていない事以上に、胸や腕、脚など至る所に赤い跡がたくさんあり驚いた。
これって...
すると、ガチャっとドアが開き彼が入ってきて、慌てて毛布を引き上げると近づいてきてお水を飲ませてくれる。
「ごめん、身体辛くない?昨日は...ちょっと、無理させたから...」
「え、えっと...少しだけ、腰が...」
「そうだよね、ごめん。今日は俺が全部やるから、何でも言って?」
「あ、りがとう、ございます...」
「喉は?痛くない?ちょっとみせて?」
両手で顔を包んで少し上を向かされ、くっと顎を引かれる。
「だ、大丈夫です」
「ほら、あーって言って?」
離してくれそうにないので、あーと少し口を開けると「大丈夫そうだね」と頭を撫でてくれた。
「服、どれにする?下着は?」
「っえ?じ、自分で取ってきます!」
「そう?まだベッドに居ていいよ?もしかしたら脚も辛いかもしれないし...」
え? 脚も...?
「じゃあとりあえず俺はリビングに行くけど、何かあったら呼んでね」
柊哉さんが出て行ってからそっとベッドから降りてみると、内腿辺りに筋肉痛を感じた。なんでこんなところが...?
とりあえず適当に服を選んで着替えながら昨日の記憶を辿る。
まずお店からどうやって帰ったんだっけ...?昨日は結局おすすめされたカクテルをもう一杯飲んでしまって、一気に頭がふわふわしたのは覚えている。頭の片隅で、柊哉さんに怒られちゃうかな...と思った事も。
その後は...帰ってきてシャワーを浴びたよね、たしか。それで...している途中に彼の顔つきと空気がピリッと変わった事は覚えてる...。
でも何でだったかな...?私、また何かしちゃったのかな?
それに柊哉さん、昨日はとってもSっ気が強かったような...。脚腰の痛みの原因を何となく思い出してきて、一人顔が真っ赤になってしまった。
顔の熱を冷ましてからリビングへ行くと、どうやら随分ゆっくりと眠ってしまったようで、彼はブランチを用意してくれていた。