エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
完全に陽が沈むと、オレンジに輝いていた街並みにあかりが灯り、また違った雰囲気を魅せる。
夜の風景を眺めながらホテルまでゆっくりと歩き、海辺のレストランで食事をした。
南国の風を感じながらの食事はとても新鮮で、お肉や海鮮のお料理もどれもとても美味しかった。
その後はお部屋に戻り、広々としたジャグジーバスに二人で浸かるとどちらからともなく肌を寄せ合う。
時々キスをしながら、窓から見える星空をのんびりと眺めた。
お風呂からあがると、先に出ていた柊哉さんはバルコニーでシャンパンを片手に風に当たっている。
その後ろ姿がとても絵になっていて素敵で...しばらく見惚れていると、不意に彼が振り向いてドキッとした。
「優茉もおいで?」
手招きされ彼の隣に並ぶと「寒くない?」と肩を抱き寄せられ、シャンパンの香りのキスが落ちてくる。
「一口飲んでみる?」と差し出されたグラスを受け取ろうとすると、スッと離され彼がグラスに口をつける。
その姿もとても綺麗でまたぼんやりと見つめていると、くっと顎を上げられ唇を塞がれた瞬間、少しひんやりとした液体が注ぎ込まれた。
こくんとノドを鳴らして飲み込みと今度は熱い舌が入ってきて、口内を撫でまわす。
夢中でそれに応えていると、ちゅっと舌を吸われて離され「美味しかった?」と聞かれたけれど、正直味なんて分からないほどうっとりと彼のキスに酔いしれた。
バルコニーで明日からの事を話していたけれど、時差や移動の疲れもあってか、私はその一口で頭がふわふわとしてきて、次第に瞼も重くなる。
そんな私に気がついた彼に腰を支えられながら部屋の中へ入り、二人でふわふわのベッドへと身体を沈めた。
ぐっすりと深く眠れたおかげか、翌朝はまだ陽が上りきっていない薄暗い時間帯に目が覚めた。
身体に巻きついている腕をそっと下ろし、まだ穏やかな寝息を立てている彼を残してベッドルームを出る。
大きな窓からは、少しずつ太陽が海から空へと昇っていく様子が広がり、段々と明るい世界へと変わっていく様が幻想的だった。
その景色に見入っていると、突然後ろから腕が伸びてきてぎゅっとハグされ、寝起きの少し低い声で「おはよう」と彼が耳元に囁く。
「海、見てたの?」
「はい、大きな太陽が少しずつ空へ昇っていく姿がとても素敵でした」
「明日は俺も一緒に見たいな」