エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

 出産から一週間が経ち、私の身体も回復してきた為退院の許可がおり、柊哉さんと三人で自宅へと帰ってきた。

 用意していたベビーベッドにそっと寝かせると、すやすやと眠ってくれている。
 それだけで、なんだかとても幸せな気持ちになって二人で思わず顔を見合わせ「ふふっ」と笑ってしまった。

 「優茉、疲れただろう?今のうちに着替えておいで?まだ横になっていた方がいい」

 そう言って私のコートを脱がせ、パジャマを持ってきてソファに毛布と枕を用意してくれる彼は相変わらず過保護だ。

 きっとこの子にも、少し過保護でとっても優しいお父さんになるんだろうなぁと思うと、自然と笑みが溢れていた。

 「ん?どうしたの?」

 「いえ、ただ...すごく幸せだなぁって」

 「そうだね。これからは三人で、たくさん幸せな思い出作ろうね」

 「はい、楽しみです」


 妊娠も出産も、本当に大変だった。
 無事に元気に生まれてきてくれて、私も出血は多かったものの幸い健康状態に問題はなく、所謂母子共に健康。
 でも、よく耳にするこの言葉は本当に奇跡の積み重ねなのだと改めて思い知った。

 そして、かけがえのない宝物が増えたような幸せに満ちたこの感覚も、初めて知った。

 いつかこの子が大きくなったら、この気持ちも伝えたいな。

 「私たちに、大きな幸せをありがとう」

 穏やかにすやすやと眠る我が子を見つめていると、そっと引き寄せられぎゅっと抱きしめて優しいキスをくれる。

 「優茉、愛してるよ」

 これからもずっとずっとこの幸せが続いていきますように...。この奇跡を、二人で大切に育てていこう。

 そう願いながら、大好きで愛おしい彼の唇にそっとキスをした。




 〜END〜



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