エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
ニゲラ <困惑>
入院して三日目の朝、この季節特有の寒暖差で外の空気が急に冷え込んだこともあり、軽い発作が起きてしまった。
退院できるかと思っていたけれど、もちろん結城先生が許可してくれるはずもなく...。結局五日間の入院となったけれど、無事に退院することができた。
週末は約束通り祖父母の家に帰り、ゆっくりさせてもらった。久しぶりにおばあちゃんの手料理をたくさん食べて自分のベッドでたくさん眠って、身体だけでなく心もすっかり元気になった。
入院中、天宮さんは何度も顔を出してくれたり風見さんをはじめ看護師さん達も休憩の時にお見舞いに来てくれた。
急な欠勤で迷惑をかけたのに、誰も嫌な顔をせず私を心配してくれ、改めて恵まれた環境で仕事をさせてもらえている事が嬉しくなった。
あれ以来香月先生が病室に来られることはなく、職場で再会した時は勝手に少し気まずさがあったけれど、先生は全く気にした様子もなく、仕事中は最初に感じたようなクールな印象。
オペに入っていることも多く、他の先生たちより関わる機会も少ないので、私は内心ほっとしていた。
退院の時「これからは僕が薬の調整をするから。ちゃんと定期的に診察受けに来てね」 と結城先生に言われたので、あれからきちんと二週間おきに薬をもらいに行っている。
そのおかげか最近はずっと調子もよく、貧血の方も今までより食事に気をつけるようにした事で少しずつ改善してきた。
仕事は忙しくも充実していて、私にとって平和な日々がまた戻った。