エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

 「では以上です。今日もよろしくお願いします」

 看護師長の声で解散となり、それぞれの持ち場へと散らばっていく。私たちも自席へと戻り、まずは今日退院予定の患者さんの確認をしていく。

 午前中の業務はこの退院手続きに関する業務がメインとなり、主に支払いや退院後の初回の通院日などの案内、必要な書類のお渡しなどの作業がある。

 その隙間で、回診などがスムーズにできるようカルテ整理や器材の準備、食事などの各種伝票処理などの業務を教わりながら行なっていると、あっという間にお昼の時間を迎えた。

 「優茉ちゃん、今日は少し落ち着いているから一緒にお昼行っちゃいましょう」

 「わかりました」

 区切りのいいところで一旦作業を終わらせ、必要なものを入れた小さめのバックを持って立ち上がる。

 「優茉ちゃんは今日もお弁当?」

 「はい、そうです。天宮さんは?」

 「私は今日寝坊しちゃって作る時間なくって。だから食堂に行っていい?」

 二人揃って職員用の食堂へと行き窓際の席に座ると、天宮さんは日替わり定食、私はお弁当を広げて食べ始めた。

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