エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

 先生はお仕事なので一人で部屋に戻り、買ってきた食材を冷蔵庫にしまってから、さっそくソファで買ってきた本を読み耽っていた。

 気がつけばあっという間に二時間ほど経っていて、一旦本はおしまいにして夜ご飯のことを考える。

 今日は何がいいかな?二人分だし毎日行けるかわからないので、少し多めに買ってきたから色々作れそうだけど。
 そういえば、先生は苦手な物はないのかな?聞くのを忘れてた...。

 今日のメインはお肉を塩麹で漬け込んで焼くことにし、明日のお弁当用にも下ごしらえや朝簡単に出来るよう準備をしておく。
 副菜は多めに作ってタッパーに入れたり、氷しか入っていなかった冷凍庫へとしまっておく。

 一通りの作業を終えて時計を見ると十八時前。連絡をくれると言っていたけれど、先生は何時頃に帰ってくるんだろう。

 今朝は七時前に目が覚めて、寝返りを打つと目の前に先生の寝顔があり驚いた。規則正しい寝息が聞こえていて、安心しきったような寝顔はカッコいいと言うよりは可愛らしい。
 つい頭を撫でたくなったのは自分でも驚いたけれど、きっと大型犬をよしよしと愛でたくなる気持ちと一緒だと思う。

 そっと起こさないようにベッドから出て着替えを済ませ、朝ごはんを作りながらもぼんやりとまた先生の事を考えていた。
 今日は初めてで驚いたけれど、朝起きて隣に誰かがいてくれるのってすごく安心する。なんだか朝から癒された気分だった。

 先生とのお買い物も自然にいられたし、なぜかリラックスできて楽しかった。
 誰かと生活するのは気を使うし、色々大変なのかなと思っていた。まだ二日目だけど、思っていた以上にリラックスできて楽しいし、誰かのために何かをして喜んでもらえる事が単純に嬉しかった。

 先生が気を遣わないよう努力してくれているからかもしれないけれど...。

 とにかく明日からの仕事のために、部屋に行ってメモ帳を開き復習をしてからいつものように看護ケアの本を読んでいると、いつの間にかうたた寝をしてしまっていた。

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