元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
振られた日に戻れるなら side鷹也
 俺たちが別れた日、あの日に戻れるのなら何がダメだったのか確かめたい――――。

 
 ◇ ◇ ◇
 
 一人暮らしを始めたマンションで、俺たちは蜜月を過ごしていたはずだった。
 少なくとも俺は杏子と過ごす日々を幸せに感じていた。

 ところが、親父に無理矢理連れて行かれた政財界のパーティーの日、マンションに帰ると杏子がいなかった。

 土曜日の夜は俺が遅くなっても大抵待っててくれているのに、何故だ?

 しかも、帰るにしても置き手紙がないことを不審に思った。

 いつも必ずダイニングテーブルの上にメッセージを残してくれるのだ。
 実はそれを楽しみにしていた。

 杏子にメッセージを送るも、既読にならない。
 何度もメッセージを送っていると、月曜日になってやっと既読になった。

 それから、夜中に俺のマンションの下にある公園に呼び出された。

 俺は意味がわからなかった。
 待ち合わせなんてしなくても部屋に来ればいいことだ。
  1年のうちで最も寒いこの時期に、何故公園なのだろう。
 
 ただメッセージが感情のない断定的な書き方だったので、何かあるのだろうと思い、俺は公園へ向かった。
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