元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
駆けつけたらバレました
 次の瞬間、私は鷹也を見ていた。

「あ」
「あ」

 鷹也も元の体に戻ったことがわかったのだろう。
 私たちはお互い目を合わせ、小さくホッとため息を吐いた。

 しかし状況は良くない。
 良くないどころか、自らこのカオスを招いてしまったような気がする。

「千鶴……あの人は千鶴のお兄さんなのか?」
「あ、うん! ちょっとお兄ちゃんこっちに来て!」

 千鶴ちゃんが少し離れた位置にいた鷹也を呼びつけた。
 どうしよう。本当にまずい。
 背中をダラダラと汗が伝う。

「私の兄の森勢鷹也です」
「お兄さん……? 奥田大輝と言います。千鶴さんの同僚で、お付き合いさせていただいています」
「へ?」

 そこで鷹也が私を見た。
 やはり鷹也は大輝のことを私の夫だと思っていたのだろう。
 顔には「どういうことだ?」と書かれている。
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