元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
「まあ……御加護を授かるためのアイテムが何故どんぐり飴だったのかはちょっと分からないけど。何かあるの? 二人の思い出の何かが」
「え」
「い、いや、別にっ」

 今度は私たち二人とも赤くなっているはず。

 鷹也と目を合わせると、お互いにあの夏の初めの縁日を思い浮かべているのだろうとわかった。
 私たちの始まりの時。
 何度思い出してもキュンとする二人だけの秘密。
 



 それから私たちは本堂にお参りを済ませ、光希さんの奥様にも挨拶をした。

 生まれたばかりの芙佳ちゃんはとっても可愛くて、ひなが生まれた時のことを思い出した。

 いつかひなにも弟か妹ができるのかな……。

 少し前なら考えられなかった夢のような話だ。

 
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