元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
「それで、昨日はお持ち帰りしたのか?」
「ブッ……するか!」

 開口一番、なんてことを言うんだ、この親父……。
 あやうく飲んでいたお茶をまき散らすところだった。あっぶない。

「どういうことだよ⁉ 『疲れているだろうから鷹也の泊まっているホテルで食事をしよう』っていったよな? 正直こっちはすぐにでも休みたかったところを、せっかく父さんと母さんが来てくれるんだからとレストランへ行ったら、見合いだと⁉ 勘弁してくれよ!」
「いやぁー、お前も長い間不自由しただろうと思ってな。気を利かせたんだが……なんだ、気に入らなかったのか」
「気に入るわけないだろう!」

 常軌を逸している。この親父、どうしたらいいんだ?

「綺麗な子だったのに」
「そういう問題じゃない!」
「まあそう言わずに。昼休みも限られているんだ。早く食べろよ」
「……はぁ……」
 
 この父親と話していると、宇宙人と話している気分になる。
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