元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
パウンドケーキを二切れと、コーヒー、ダージリンティ、アールグレイといただき、私のお腹ははち切れそうだ。
お昼ご飯は食べられそうにない。
会社に戻るため、車を走らせていると、そこが藤嗣寺の近くだということに気づいた。
祖母が亡くなる直前に花まつりで訪れたお寺だ。
「ここ、久しぶりだわ……」
藤嗣寺にはうんと小さい頃に何度か祖母と訪れていた。
優しそうな住職がいらしてよく飴玉を頂いたっけ。ポンポンと頭を撫でられたのを覚えている。
あの人が祖母の初恋の人だったのかしら……。
あまりにも幼くて、祖母との関係性まで覚えていなかった。
お昼は食べないつもりだし、せっかく通りかかったのだから少しお参りをさせてもらうことにした。
営業車をコインパーキングに停め、私は久しぶりに藤嗣寺の門をくぐった。
入って右手に寺務所がある。
「すみません、ロウソクとお線香を頂きたいのですが……」
「ああ、そこの小さな賽銭箱がロウソクと線香用になっています。小銭、お持ちですか?」
私と同世代の、作務衣を着た、優しそうなお坊さんだった。
今やほとんどの支払いはキャッシュレス決済。
若者は小銭など持ち合わせていないと思われたのだろう。
会社の自販機が現金のみなので、持っていて良かったわ。
「あります。有り難うございます」
「お参りの手順、わかりますか?」
「お参りの手順?」
何だろう……。ただ手を合わせるだけじゃダメなのかしら?
お昼ご飯は食べられそうにない。
会社に戻るため、車を走らせていると、そこが藤嗣寺の近くだということに気づいた。
祖母が亡くなる直前に花まつりで訪れたお寺だ。
「ここ、久しぶりだわ……」
藤嗣寺にはうんと小さい頃に何度か祖母と訪れていた。
優しそうな住職がいらしてよく飴玉を頂いたっけ。ポンポンと頭を撫でられたのを覚えている。
あの人が祖母の初恋の人だったのかしら……。
あまりにも幼くて、祖母との関係性まで覚えていなかった。
お昼は食べないつもりだし、せっかく通りかかったのだから少しお参りをさせてもらうことにした。
営業車をコインパーキングに停め、私は久しぶりに藤嗣寺の門をくぐった。
入って右手に寺務所がある。
「すみません、ロウソクとお線香を頂きたいのですが……」
「ああ、そこの小さな賽銭箱がロウソクと線香用になっています。小銭、お持ちですか?」
私と同世代の、作務衣を着た、優しそうなお坊さんだった。
今やほとんどの支払いはキャッシュレス決済。
若者は小銭など持ち合わせていないと思われたのだろう。
会社の自販機が現金のみなので、持っていて良かったわ。
「あります。有り難うございます」
「お参りの手順、わかりますか?」
「お参りの手順?」
何だろう……。ただ手を合わせるだけじゃダメなのかしら?