元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
「光希ちゃん! お待たせしたわね~」
「鷹也ママ! あっ、じゃなくて清香おばさま、お久しぶりです~」

 鷹也ママ⁉ え? この人鷹也のお母様?

「そんな気取った言い方しなくても、鷹也ママでいいわよ。……あら、お友達も一緒なの? こんにちは」
「こ、こんにちは……」

 ニコッと微笑んだ鷹也のお母様は、たしかに鷹也と目元が似ていた。

 びっくりするくらい若くてきれいな方だ。

「エステが始まるまで少し時間があったからお茶していただけなの。彼女はもう帰るわ、ね?」
「……」
「あら、そうなの? お友達も一緒にいけたら光希ちゃんも楽しいだろうに。人数を増やせるか聞いてみましょうか」
「彼女はエステなんて興味がないんです。それよりうちのママちょっと遅れるみたいだから、先に入ってハーブティーでも飲んでてって。鷹也ママ行きましょう?」

 まるで、あなたには無縁の世界でしょう? とばかりに言い放った。

 実際、エステなんて行ったことも興味を持ったこともなかったけれど。
 
 彼女が言うところの『身分』が違うというのはこういうことだと言いたかったのだろうか。
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