振り返って、接吻
露わになった胸元に、所有のキスを落とした。
じわじわと自分の欲求が満たされていくような、それと同時にさらに欲求が湧いてくるような言葉にしがたい感覚だった。
こんなにも興奮状態にあるはずなのに、焦らずにゆったりと事を進めていく自分がいる。まるでこの行為を、神聖な儀式か何かとでも思っているようだ。
「ごめん、手が冷たいかも」
声をかけてから、スカートの中に自分の手を差し込んだ。なめらかな太ももを撫でると、宇田がくすぐったそうに身をよじる。
スカートを捲り上げると、上と揃いのすみれ色の下着だった。あまり飾り気はないけれど、触ってみれば、素材のレースはかなり質の良いものとわかる。
下着の生地越しに触っているだけでも、初めての彼女には強い刺激だったらしい。身体に力が入っているし、はくはくと細かく呼吸している。
自分の指先が、宇田凛子を操っているという事実だけで、理性が焼き切れてしまう。
宇田の背中に手を回して下着のホックを外し、彼女の腕に引っ掛けたままで胸に手を伸ばした。俺の手も夏休み明けにしては日焼け知らずだけど、日光を浴びたこともないような宇田の胸に置くと男の手の色に感じた。