妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
トルフェニオ・パストマン教授は、私の家庭教師だった人物だ。
彼からは、色々なことを学んだのだが、娯楽として暗号を教えてもらっていたのである。
その手紙によって、私は自分が危機的状況であることとアグナヴァン様にその旨を連絡して欲しいということを伝えた。その意図は、きちんと伝わっていたようだ。
それは、先生が作り出したものであるため、他の人にはわからない。それなら検閲も突破できると思い、おぼろげな記憶を頼りにそれを用いたのである。
「それによって、アグナヴァン王子殿下はあなたを助け出す計画を立てたのです」
「それで、あなた達は私を探していたのですね……」
「ええ……あなたの意図としては、スウェンド王国への亡命の許可を得たかったということなのでしょうが、殿下はあなたの存在が自国の利益に繋がると思い、そこまで計画を立てたようです」
「自国の利益……なるほど、そういうことだったのですね」
騎士の言葉で、私は理解した。
確かに、私の存在は、スウェンド王国にとって有益なのかもしれない。
彼からは、色々なことを学んだのだが、娯楽として暗号を教えてもらっていたのである。
その手紙によって、私は自分が危機的状況であることとアグナヴァン様にその旨を連絡して欲しいということを伝えた。その意図は、きちんと伝わっていたようだ。
それは、先生が作り出したものであるため、他の人にはわからない。それなら検閲も突破できると思い、おぼろげな記憶を頼りにそれを用いたのである。
「それによって、アグナヴァン王子殿下はあなたを助け出す計画を立てたのです」
「それで、あなた達は私を探していたのですね……」
「ええ……あなたの意図としては、スウェンド王国への亡命の許可を得たかったということなのでしょうが、殿下はあなたの存在が自国の利益に繋がると思い、そこまで計画を立てたようです」
「自国の利益……なるほど、そういうことだったのですね」
騎士の言葉で、私は理解した。
確かに、私の存在は、スウェンド王国にとって有益なのかもしれない。