妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
第二章 隣国にて
私は、スウェンド王国の王城に来ていた。
今回、私を助けてくれたのはこの国の王太子であるアグナヴァン様だ。
客室に通された私は、彼のことを待っていた。正直、少し緊張している。知り合いとはいえ、相手は王子だ。緊張しない方が無理というものである。
「……失礼する」
「あっ……」
部屋の戸が叩かれる音とともに、低い声が聞こえてきた。
その声には、聞き覚えがある。久し振りではあるが間違いない。アグナヴァン様の声だ。
「フェルーナ殿、入っても構わないか?」
「ええ、どうぞお入りください」
「では、失礼させてもらう」
私の返答を聞いてから、アグナヴァン様はゆっくりと部屋の中に入ってきた。
彼は、屈強な男性である。筋肉質なその体は、いつ見ても見事なものだ。
その肉体と強面な顔だけなら、少し怖い人のように思える。だが、彼は内面も素晴らしい人なのだ。知性と優しさに満ちたその頭脳も合わせて、正に王に相応しい人だといえる。
今回、私を助けてくれたのはこの国の王太子であるアグナヴァン様だ。
客室に通された私は、彼のことを待っていた。正直、少し緊張している。知り合いとはいえ、相手は王子だ。緊張しない方が無理というものである。
「……失礼する」
「あっ……」
部屋の戸が叩かれる音とともに、低い声が聞こえてきた。
その声には、聞き覚えがある。久し振りではあるが間違いない。アグナヴァン様の声だ。
「フェルーナ殿、入っても構わないか?」
「ええ、どうぞお入りください」
「では、失礼させてもらう」
私の返答を聞いてから、アグナヴァン様はゆっくりと部屋の中に入ってきた。
彼は、屈強な男性である。筋肉質なその体は、いつ見ても見事なものだ。
その肉体と強面な顔だけなら、少し怖い人のように思える。だが、彼は内面も素晴らしい人なのだ。知性と優しさに満ちたその頭脳も合わせて、正に王に相応しい人だといえる。