妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
第三章 祖国に戻って
私は、ドルマニア王国へと向かっていた。
今回、私があちらの王国に行くことができるのは、アグナヴァン様が色々と働きかけてくれたからだ。
隣国の危機に力を貸したいという彼の願いを受け入れたドルマニア王国は、私という罪人を受け入れたのである。
「そもそもの話、ドルマニア王国は私が生きているとは思っていなかったのかもしれませんけど……」
「ああ、それはその通りだ。あなたのことを伝えた時、あちらの王国はかなり動揺していたように見えた」
「まあ、そうですよね……」
アグナヴァン様は、魔法でドルマニア王国と通信したそうだ。
私自身が出て行くべきかと考えていたが、それはアグナヴァン様が止めてくれた。彼が、私のことを気遣ってくれたのである。
「あちらの王国で、あなたはどのような立場だったのだ? 通信魔法を使っていた者達は、あなたの部下だったと思うのだが、その反応は微妙なものだった」
「そうですね……」
アグナヴァン様の質問に、私は少し考えることになった。
基本的に、私は部下達から慕われていたように思える。しかし、実際の所どうだったのか、それは少し微妙な所だ。
私は捕まってから部下達と特にやり取りをしていない。もちろん、捕まっている私の元に来るというのはそれなりに難しいことなので、ある程度は理解できる。だが、もしも私のことを慕っている人がいれば、来てくれるものではないだろうか。
今回、私があちらの王国に行くことができるのは、アグナヴァン様が色々と働きかけてくれたからだ。
隣国の危機に力を貸したいという彼の願いを受け入れたドルマニア王国は、私という罪人を受け入れたのである。
「そもそもの話、ドルマニア王国は私が生きているとは思っていなかったのかもしれませんけど……」
「ああ、それはその通りだ。あなたのことを伝えた時、あちらの王国はかなり動揺していたように見えた」
「まあ、そうですよね……」
アグナヴァン様は、魔法でドルマニア王国と通信したそうだ。
私自身が出て行くべきかと考えていたが、それはアグナヴァン様が止めてくれた。彼が、私のことを気遣ってくれたのである。
「あちらの王国で、あなたはどのような立場だったのだ? 通信魔法を使っていた者達は、あなたの部下だったと思うのだが、その反応は微妙なものだった」
「そうですね……」
アグナヴァン様の質問に、私は少し考えることになった。
基本的に、私は部下達から慕われていたように思える。しかし、実際の所どうだったのか、それは少し微妙な所だ。
私は捕まってから部下達と特にやり取りをしていない。もちろん、捕まっている私の元に来るというのはそれなりに難しいことなので、ある程度は理解できる。だが、もしも私のことを慕っている人がいれば、来てくれるものではないだろうか。