弁護士は相談料として愛を請求する

 翌週。新しい保育園へ入った。四、五歳児。二歳児とはずいぶん違う。友達との関係の取り方も大人に近づいている。保育士として少し大人の自分を初めて見せていこうと思った。

「ケンちゃんはミーの事が好きなんだよ。リエちゃんのことはそんなに好きじゃないって言ってたもん」

「そんなことないもん。ケンちゃんはリエのほうがミミちゃんより好きって言った」

「ほら、ほら。ケンちゃんが困った顔しているよ。ふたりとも嫌いになるかもよ、そんなこと言ってると……」

「そんなことないもん。ママが好きな人には好きっていわないと男の子は分からないって言ってた」

 ミミちゃんが言う。

「ねえ、先生はカレシいるの?」

「……はい?」

「先生の好きな人はどんな人?」
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