弁護士は相談料として愛を請求する

 つまり、美保先生が大勢いるって感じかな。私としては安心できて助かる。頼られるより、頼りたい性格だから。

 放課後。園長先生からよばれた。こちらの園の特徴やその他について説明を別途受けた。

 一時間後、車が門の前に停まって、スーツ姿の男性が降りてきた。スーツの男性に弱い私は、すぐに目を奪われた。黒髪にメガネの男性。背が高くてこちらを見てる。ん?

「倉田先生、紹介するよ。うちの息子の佐竹遼平だ」

「……え?」

 つかつかと歩み寄ってきた彼は昔の面影が残っていた。中学時代の同級生の佐竹君じゃない?私女子テニス部だったんだけど、彼は男子テニス部。一緒にミックスダブルス組んだ佐竹君だ!卒業以来だよ、懐かしすぎる。

「倉田、久しぶりだな。あ、なんか綺麗になったな。ニキビもなくてつるつるじゃん」

「なんだ、遼平。倉田先生と知り合いなのか?」
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