弁護士は相談料として愛を請求する

「名前聞いたとき絶対そうだと思ったんだけど、顔見るまでわからないから言わなかったんだ。倉田は中学の同級生。しかも部活でミックス組んでた相手だよ」

「久しぶりだね、佐竹君。格好よくなったね。なんか、メガネとかかけちゃってインテリぶってる」

「おい、インテリぶってるんじゃなくて、俺はインテリになったの。弁護士だぜ」

「ええ!?弁護士?」

「そう。親父の園だけ面倒見てる。普段は企業法務中心なんだ」

「そうだったんだ。すごい偶然だね」

 あっけにとられていた園長先生がようやく口を開いた。

「いや、そうだったのか。これはすごい縁だな」

「そうですね、同窓会も一度あったけど私参加してなかったので、卒業以来です」
< 103 / 243 >

この作品をシェア

pagetop