弁護士は相談料として愛を請求する
うーん。
「お付き合いしている人はいるわけないじゃん。男の人はまだ少し苦手だけど、お仕事でも何とかやってきたから……」
「ふーん。いや、随分綺麗になったなと思ってね」
「そういう佐竹君こそ、インテリ風のイケメンになったじゃない。モテそうね。弁護士ってモテるんでしょ?」
「モテるかモテないかで言えば、まあ、モテるかな?バッジの力は偉大だな」
「そうじゃないでしょ、佐竹君テニス部時代から人気だったし、かっこよくなったからじゃない?」
「倉田、お前その言葉勘違いしてもいいのか?俺は今丁度彼女がいないんだ。探している最中だぞ」
「それがどうかしたの?周りに大勢いるんでしょ?モテるって言ってたじゃん。選んでる最中なの?」
「……倉田、お前。昔からその鈍感さはちっとも変わらないんだな。いっつもお前のことあほだの何だの言ってた古川はどうした?あいつとすごく仲良かっただろ?お前ら付き合ってんじゃないかって見かけた奴が言ってたぞ」