弁護士は相談料として愛を請求する

 うーん。

「お付き合いしている人はいるわけないじゃん。男の人はまだ少し苦手だけど、お仕事でも何とかやってきたから……」

「ふーん。いや、随分綺麗になったなと思ってね」

「そういう佐竹君こそ、インテリ風のイケメンになったじゃない。モテそうね。弁護士ってモテるんでしょ?」

「モテるかモテないかで言えば、まあ、モテるかな?バッジの力は偉大だな」

「そうじゃないでしょ、佐竹君テニス部時代から人気だったし、かっこよくなったからじゃない?」

「倉田、お前その言葉勘違いしてもいいのか?俺は今丁度彼女がいないんだ。探している最中だぞ」

「それがどうかしたの?周りに大勢いるんでしょ?モテるって言ってたじゃん。選んでる最中なの?」

「……倉田、お前。昔からその鈍感さはちっとも変わらないんだな。いっつもお前のことあほだの何だの言ってた古川はどうした?あいつとすごく仲良かっただろ?お前ら付き合ってんじゃないかって見かけた奴が言ってたぞ」
< 106 / 243 >

この作品をシェア

pagetop