弁護士は相談料として愛を請求する
相談料としての愛
タクシーでしばらく行くと大きなタワーマンションが見えてきた。有名なところのような気がしますけど……何故かその車寄せにタクシーが止まった。嘘でしょ!?
「降りろ」
「ま、まさかここに住んでるの?」
「まあな」
エレベーターホールに入り、カードをかざした彼は三十八階を押した。
「どうぞ」
広いフラットな玄関の先には夢のような景色が広がっていた。
「……ふわあー、すごい夜景!なんなのこれ?」
ビルの灯りとその上には星と月がきらめいて見えていた。私は窓にはりついた。振り向くと後ろに電気をつけずにいたのか、彼が立っているのが見えた。
「どうしたの、のん。電気つけないの?」
「ああ、このほうが綺麗に見えるだろ、お前の大好きな星」