弁護士は相談料として愛を請求する

「こちらに来て野田先生には最初の頃大分助けられて、お礼の意味で映画に一度誘われて出かけてからおかしくなりました」

「野田君が君を好きじゃないかと周りは気づいてた。彼も隠さないからね。デートしたと話していたらしいんだ。ハッキリ聞いていいかな?彼に交際を……断った?」

「……まあ、あの、そうですね」

「教務主任経由で野田先生にはそれとなく注意をします。それで何かあったら教えて下さい。遼平には念のため家で報告しておくからね」

「え……あ、あの」

「若い先生同士だし、私達が間に入ることではないかもしれない。それに周りが騒いでいると、おふたりも不快だろうし、難しいところだ。でもここは保護者の目もあるんだ。何か言われてからでは遅い。必ず我慢せず教えて下さい」

「ありがとうございます」

 そう話した週末。佐竹君が私と金曜日の夜会おうといってきた。園長のはなしを詳しく聞かせろと言う。それで、本当は志穗と約束をしていたのだが、先に佐竹君と話して、遅れてくる志穗と合流する予定になった。
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