弁護士は相談料として愛を請求する
「遅くなってごめん、すず」
「ううん、大丈夫なの?ごめんね、忙しいのに。来てくれてありがとう、志穗」
「第一優先はすずだよ。それにしても、あんたはもう。はい、どいて」
そう言うと、私を奥に押し込んで、隣に腰掛けた。佐竹君はやけ酒。まさか、志穗に告白を聞かれるなんて思っていなかったんだろう。悪いことしちゃった。
「それで?すずの返事は?あ、私邪魔ならトイレ行ってくるから……」
「あ、いいよ、志穗。ごめん、佐竹君。今すぐはちょっと考えられない。でも、佐竹君の気持ちは嬉しい。ありがとう」
「そうか……こんな話のあとだもんな。でも、覚えておいてくれ。俺はマジだから。実は中学時代からお前のことはいいなって思ってた。でも古川がいるってみんな警戒していたからさ」
「のんは、そんなんじゃ……」
私の言葉を遮った志穗は言った。