弁護士は相談料として愛を請求する

「佐竹君、弁護士になったんだって?おめでとう、すごいね」

「いや、ありがとう。お前も結構有名だぞ。ラジオ局のアナウンサー。美人アナ。でも結婚するのか?辞めるって倉田に聞いたぞ」

「うん、結婚はすぐにはしないけど、同棲するかな。彼について千葉へいく」

「ふーん。彼って何してんの?」

「……医者」

「ひええー。さすが、木村。大魚には大魚だな。そうですか、頑張れよ。じゃ、俺はお先に。またな倉田」

「ありがとう、佐竹君。これからもよろしくね」

 彼は多めにお金をおいて、手を振って帰って行った。相変わらず爽やかでいい人。

 正直、のんのことが吹っ切れたら佐竹君なら徐々に付き合っていけるかもしれないと思う。中学時代から彼とは手が触れても平気だった。ペアだったんだからね。
< 115 / 243 >

この作品をシェア

pagetop