弁護士は相談料として愛を請求する

「いや、すみません。ちょっと驚いてしまって……」

「ここだけの話、倉田先生はモテモテですよ。その佐竹弁護士も彼女を好きらしいですよ。園長先生から聞きました。倉田さんと息子さんをとくっつけたがっているようで……あはは」

「笑い事じゃないですよ、それって本当ですか?」

「まあ、古川先生も頑張って。では、お気を付けて。今日はありがとうございました」

 俺は甘かったのかもしれない。すずのことだ、いつかどうせ連絡してくるだろうと思っていたが、連絡が二ヶ月一向にない。あの電話での捨て台詞は本気だったのか。

 しかも、相変わらず男に誘われてモテモテ?保育士はどうとでもなるが、佐竹だけはまずい。

 俺が中学時代牽制しつづけたが、俺とすずが付き合っていないのを高校時代聞きつけて、一度確認されたことがある。

 まだ、諦めてなかったのか。俺は目の前が真っ暗になった。まさか、あいつも弁護士になっていたなんて俺とそう変わらない。まずいぞ。考えただけでおかしくなる。
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