弁護士は相談料として愛を請求する
すると、電話が鳴っている。見ると、姉さんだ。
「姉さん、どうした」
「望。あなた、本当にお見合い大丈夫なの?」
そうだ、その問題があった。仕事で忙しくうっかりしていた。
「そういえば、匠さんから連絡ないけどどうなってる?姉さん、それって匠さんが断れないものなのか?」
「そうね。お断りしづらいお相手だとは聞いている。それよりねえ、望。ハッキリ聞くけど、鈴音ちゃんのことは本当にいいの?お見合いって結婚前提なのよ。付き合いはじめたら断りにくくなる。お前、本当にその覚悟あるの?」
「姉さん、すずに会って何か余計なこと言っただろ。この間からあいつの様子が変なんだ」
「お見合いのはなしをしたのよ。それと彼女の意思を確認したかった。鈴音ちゃんね、望の見合い話を聞いた瞬間から様子がおかしくなった。絶対、望のこと好きなのよ。望は結婚して鈴音ちゃんと距離を置いて欲しいってお相手に言われたら守れるの?よく考えなさい」