弁護士は相談料として愛を請求する
「姉さん。見合いはどうしても会わないといけないなら会うけど、返事は最初から断るつもりだった。俺の結婚相手は自分で決める」
「望。やっぱり……」
「匠さんはこのお見合い断るようお願いしても大丈夫かな?」
「もちろんよ。匠さんは望に借りがあるから、嫌なら何とでもするって言ってたわよ」
「そうか。さすがだな匠さん。姉さん悪い。やはりお断りしてくれ。匠さんにはあとでメールして謝っておく。姉さんからよく言っておいてくれないか」
「わかったわ。それとね、さっきすずちゃんからあなたの見合いはもう終わりましたかってメールがあったのよ。あなたの返事次第では教えないつもりだったけど……しょうがないから教えてあげる」
「ああ、ありがとう姉さん。さすが俺の自慢の姉さんだ」
「何も出ないわよ。でも、あなたには私も大きな借りがある。幸せになって欲しいのよ」