弁護士は相談料として愛を請求する

「もしもし、望君?すごいタイムリー。びっくりだわ」

「木村さん、今大丈夫?今日、もしかしてすずと一緒にいる?」

「うん、すずと一緒にいる。今、うちに来てるけど泣き疲れて眠ってる」

「は?何かあったのか!?」

「何かあったのかじゃないわよ。もう、大変よ。今の同僚と今日は佐竹君にも告白されちゃったよ。すずが告白嬉しいって言ってたよ。望君。まずいんじゃないの?」

 嘘だろ?おい、やっぱりまずい。付き合うことにしたのか?

「遼平と付き合うことになったのか?OKしちまったのか、まさか……」

「あれ?佐竹君と仕事で一緒になったことは知ってたんだね。最近連絡してないって聞いてたけど、そうじゃなかったんだ」

「いや。連絡はきてない。すずの前にいた保育園から今日連絡があって、別件で相談に乗っていたんだ。その時、すずが今いるところで保育士とトラブルになっていることや、佐竹の父親の園だったことなんかを聞いたんだ」
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