弁護士は相談料として愛を請求する
そうか。そうだよね。お酒を飲まされ、駅まで行くという言葉を信じてついていったことについては反省はしている。
「俺はお前の処女をよくわからん相手から守るために、今まで相談に乗ったり、夜一緒に行ってやったりしたんだよ。お前はどこまで馬鹿なんだ」
「だからよくわからない相手じゃない、ちゃんとした人を捜そうとして……」
「すず、お前は男のことが絶対わかってない。このままだとそう遠くないうちに処女を喪失するだろうな」
私はびっくりして、顔を上げて彼を見た。暗がりでのんの目が光っている。
「何でそんなこというの?」
「合コンとかばくちみたいな相手選びをして処女を捨てたいとしか思えない。大切?本当にそう思っているのか?そんなことなら、お前を守り続けた俺にこそ処女をよこせ」
私は声が出ないくらい驚いた。酔っているせいかもしれないが、喉の奥に何か詰まったかのように息苦しくなった。
「……っ!」
「大丈夫か?」