弁護士は相談料として愛を請求する
「……もう。だから、泣かないで。これからも話聞くから」
志穗が私の頭を撫でた。
「じゃあ、行くぞ、木村さん、涼のこと頼んだぞ」
「あなたと違うからご心配には及びません」
私の腕を引いたのんが歩き出した。志穂も手を振って送ってくれた。
マンションの下に降りて、駐車場へ入り、のんは立ち止まった。振り向いて言った。
「すず、あんまり心配させんな。お前から連絡は来ないし、園長から今の園で言いよられて触られてるとか聞いて、おかしくなるほど心配した。遼平が顧問弁護士だって初めて聞いたんだ……ほんと焦った」
そういうと私を抱き寄せた。
「のん、お見合いは?遥さんがまだきちんと決まってないって……」