弁護士は相談料として愛を請求する

「俺の彼女になってくれないか?言うのが遅くなってごめん……交際すると立場上面倒なことに巻き込んでしまうかもしれないから今まで言えなかったんだ。でも俺、お前のことは必ず守るから」

「……のん……」

「すずは俺を彼氏にしてくれるか?」

「うん。私ね、のんと結ばれたあの夜から多分のんに恋しちゃったんだと思う。会えなくて辛かった。でもあの後、付き合おうとも言ってくれなかったでしょ。キスは何度かしたくせに。だから、本気じゃなかったんだ、失恋したんだと思って苦しかった」

 のんは私の身体を抱き寄せ、顎を捉えてキスをした。何度も、何度も……。

「あ、ん……」

「……好きだ、すず。誰にもこの顔見せたくない。お前のこういう時の顔、最後まで俺一人のものにする」

「私はのんのものだよ」
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