弁護士は相談料として愛を請求する

「そうだよ。私だって白髪になりかけた。のんは連絡くれないし、相談料ばっかり請求するし。彼女じゃないってわかって辛かったもん」

　のんは私の腰に手を回して、言い返した。

「どういう意味だ？彼女じゃないって一度も言ってないぞ。大体、お前彼女にして欲しいって言ってないだろ。幼馴染がいいとかなんとか言ってたくせに……」

「違うよ、遙さんに聞いた。先週、私とああいうことがあったあとに、お見合いのこと遙さんのお兄さんがのんに確認したらOKしたって言ってたから。付き合っている人はいないって返事したんでしょ？」

　のんは私の顔をじっと見て、ため息をついた。

「……そういうことか。やっとわかった。それで避けて俺に連絡しないでグレてたんだな」

「そういうことかじゃないでしょ！」

「とりあえず、何か食べよう。俺も腹減った。そのことについては相談したかったんだよ」