弁護士は相談料として愛を請求する
「もう、そんなこといってる場合じゃないよ。私、遙さんみたいには絶対なれないから」
のんは上を向いて顎を押さえてこちらを見た。
「まあ、確かに。姉さんとお前は違いすぎる。だけど、姉さんにはない良さがお前にはあるぞ」
「何それ?」
「姉さんはお前ほど純粋じゃないし、素直じゃない。言葉の裏をよんで、対応したりするタイプだ。すずはその場で感情や状況に合わせて臨機応変に出来る。子供は計算しないから、そういうのを相手にしているからこそだ。すずは優しくて、常に笑顔だ」
嘘みたい、のんが私を褒めちぎってる。何かあるんじゃないかって疑ってしまう。
「ありがとう。でも……私、大人相手だと空気読めないし、結構役立たずなんだよ」
「空気を読まない素直さがお前の美点。そんなすずに事前情報を加えてやれば無敵だ」