弁護士は相談料として愛を請求する

男同士の決着

 
 どうしてものんが佐竹君に直接会って話すと言う。

 三人一緒に会える日がなかなかなくて、二週間後しか都合が付かなかった。週中の水曜日の夜に三人で待ち合わせをした。

 私がのんと付き合うことになったと話せば済む話なのに、聞く耳を持たない。とにかく佐竹君をライバル視しているのだ。弁護士同士だからかな?

 佐竹君は、遅れてきた。そして居酒屋の奥の席に並んで座っている私達二人を見て、大きなため息をついた。

 席に着くなり、頼んだお酒を一気飲みして、深呼吸をするなりのんに向かってまくし立てた。

「古川、お前。相変わらず、倉田の周りをうろうろしているんだな。幼馴染みは彼氏面すんなよ。結局今まで付き合ってなかったくせに。昔も、今も、俺を牽制してばかりで卑怯だぞ。俺はきちんと告白したし、今やお前と同じ弁護士だ。今回は引かないからな」

 最初から喧嘩腰。のんは知らん顔でお酒を飲んでいる。一体どういうことなの?

「ちょ、ちょっと、佐竹君らしくないよ……落ち着いて……」
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