弁護士は相談料として愛を請求する

 ノックの音がした。

「はい、どうぞ」

「姉さん、もういい?」

 タキシードに着替えて髪をキチンとセットしたのんがそこにいた。すごい、王子様みたい。そんな王子様が私を見て、立ち止まった。

「……すず?」

「鈴音ちゃん、ほんとにきれいでしょ、望」

 何も言わないのん。変なのかな。似合ってない?恥ずかしくて下を向いた。

「じゃあね、先に堂本の親族控え室に行ってます」

 遙さんが出て行った。
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