弁護士は相談料として愛を請求する

 下を向いて手をにじり合わせてもじもじしている私を、のんが抱きしめた。

「あー。マジかよ。こんなに綺麗なのにあいつらに見せるのか?」

「……のん?」

 のんは私を腕の中から出して、まじまじと見た。嬉しそうにしている。

「すげえ可愛い。すず、マジで綺麗だ。ああ、誰にも見せたくない」

「のんだってすごくステキだよ。王子様みたい」

「すずはお姫様みたいだから丁度いいか?」

 二人で吹き出して笑った。

「私達、やっぱりあほカップルだね」

 のんは私の手を自分の腕の中に入れた。
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