弁護士は相談料として愛を請求する
「そうなんです。私も彼が好きだったんですが、告白する勇気がなくて……」
「……絶対嘘でしょ。見ればわかるわ。幼馴染だから頼んでこの場にいるんでしょ?」
「こら、美姫。すみませんね、倉田さんといったかな?どこかのご令嬢でしたか?」
「……いえ。私は普通の家の娘です。普段は保育士をしています」
「なるほど……結婚はまだ決めているわけじゃなさそうだね、美姫とりあえず今日はここまでにしなさい」
「ええ?このあと古川君と出かけるつもりだったから……」
「申し訳ないが、僕は今日このあと仕事です」
そう言うと、彼女はおじいさんに連れられて中央へ行った。
「大丈夫か?」
のんが心配そうに私を見た。
「……あ、うん。今のふたりのことも遙さんに聞いていたから大丈夫」