弁護士は相談料として愛を請求する

「その子の父親がちょっとね。跡取りとしては不合格で、代替わりすると会社をだめにしそうでね。取引のある堂本にも何か迷惑かけてきそうなんだ。要は吸収したいんだよ、匠さんはきっと」

「さっきも女性に囲まれて嬉しそうにしてたわね。後妻さんを捜しているみたいね。おじいさまが悲しそうにされていた。修也君が可哀想よ」

 すると、修也君が走ってきた。

「すずせんせい、このひとだれ?」

 ライバルと思ったのか、のんをにらんでる。小さくても男の子なんだよね。うちの保育園でも私の手をだれが握るかをめぐって嫉妬心丸出しで男の子同士はけんかしたりする。

「俺はすずの彼氏だよ。すずは俺のものなの」

 信じらんない。何なのよ、のん。こんな小さな子に馬鹿じゃないの。みるみるうちに修也君の顔が歪んだ。

「すずせんせい、このひときらい。おじいちゃんにいいつける」
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