弁護士は相談料として愛を請求する
遠くから修也君が駆けてきた。のんがゆっくり歩いてくる。
「修也、おじいちゃんは?」
するとのんが答えた。
「ああ、今堂本副社長とお話しを別室でされてます。その間ここでお子さんは彼女と留守番させられてたんですよ」
嫌みたらしくのんが言った。彼はそういう風に言われ慣れているのか、どこ吹く風で息子の頭を撫でた。
「……彼女のお陰で修也が笑っていたので、邪魔をしないでおこうと思ってね。修也よかったな。先生、お前の保育園に近いところで働いているようだぞ」
「えー?そうなの?また会える?」
「そうだな。また会えるだろ。ありがとうございました。修也さよならしなさい」
「すずせんせい、お兄ちゃん、またね」