弁護士は相談料として愛を請求する

別れたいのか?


「どうしよう……」

 その日は久しぶりに志穗と話した。

「どうしようじゃないでしょ。とにかく、望君に相談しなさいよ」

「言ったよ。そしたら、お前が悪い。最初にきちんと拒絶しないから、こんな話になったんだって。俺まで巻き込まれて迷惑だって怒っちゃったの」

「そうだよね。公表したのにすぐにこれじゃあ、スキャンダル蒔いたようなものだよ」

「私は何度も断った。でも信じてもらえない。宝田さんは古川家と関わりが深い私との政略結婚だと周囲に説明しているらしくて、しかも修也君まで新しいママがもうすぐできると吹聴しているからよけいに噂になってる。遙さんへ迷惑かけちゃうから慎重に答えないと……」

「断ったんでしょ?」
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