弁護士は相談料として愛を請求する
「遙さんから断ってもらったら?」
「うん。実は謝罪の電話を頂いたの。あのとき、匠さんに頼まれて修也君をみていたから……」
「きっと、堂本副社長夫婦はわかってるでしょ?望君の彼女がそんな人の嫁になるはずがないって。否定してくれてないの?」
「合併も控えているから、大事にならないように出来れば私からお断りして欲しいといわれてたの。周りがどうこう言ってもこういうことは本人同士だからって言われた」
「とにかく早く断る方がいいよ。その子可哀想だけど、お父さんを呼んでハッキリ言うべきだね」
「それが、わざと忙しいからってふたりになろうとしないの。大体そんなんで結婚なんて出来るはずないのに。信じらんない人だよ」
「それで、どうするの?」
「あさって、会社でアポイント取ってもらったの。直接お断りに行ってくる。修也君がいないところで話さないといけないから……」