弁護士は相談料として愛を請求する

「どうしてそんな大事になっちゃったんだろうね?」

「アポイントは遙さんに取ってもらったんだけど、必ずのんを一緒に連れて行くよう言われたの。でも、のんとは結婚なんて決まってないのに……」

「それどころじゃないよ。すずは望君の彼女ってパーティーで公表したのに、すぐに他の人と噂になるなんて、彼にもかなりの傷だよ。とりまきの女性達に嘘つき呼ばわりされてるんじゃない?」

 そう言えばそうだった。そうか、私が彼女だって言ったのに、すぐにこんなことになってのんはどれだけ迷惑しているだろう。私本当に馬鹿だ。

 志穗と電話を切ってから、思いきってのんに電話しようとしたら、逆に電話がかかってきた。深呼吸して出た。

「……もしもし」

「すず、あさって宝田製薬にひとりで行く気なのか?」

 すごい勢いで話し出した。まずい、遙さんに聞いのかな。
< 194 / 243 >

この作品をシェア

pagetop