弁護士は相談料として愛を請求する
理性をなくした弁護士
のんと一緒に訪問した宝田製薬は古い薬の会社らしい。建物も結構古い。昼間なのに暗いし、怖い。
「すず?そんな緊張しなくても俺がいるから大丈夫だ」
「なんか、このビル古くて怖い」
「まあ、お前がいる保育園はお天道様と仲良しで明るく元気な場所だからな。こういうビルは都内の外れには結構あるぞ」
「そうなの?」
「そうなんだよ。俺も小さいところの顧客もあるからな」
「ふーん」
ガタンという音で、エレベーターが開き、最上階についた。秘書の人が迎えに来てくれて、社長室へ案内された。
「ああ、倉田さん。久しぶりだ。我が宝田製薬へようこそ。古川弁護士もいらっしゃい」