弁護士は相談料として愛を請求する

 社長である修也君のおじいさんが迎えてくれた。息子さんは?

「こんにちは。お忙しい中お時間頂きありがとうございます」

 さすが、弁護士。のんに任せておけば社交辞令は問題ない。

「副社長はこれからですか?」

「あ、いや。あいつがいると色々面倒なんでね、先に三人で話そうと思ったんだ」

 コーヒーが運ばれてきて、秘書が下がると社長が私の顔を見て頭を下げた。

「倉田さん。申し訳なかった。君の修也への優しい思いをあの馬鹿息子が利用して、こんな話になってしまった」

 のんと私は顔を見合わせて、うなずいた。そうじゃないかと思った。社長であるおじいさんは絶対そうおっしゃると思ったんだ。

「古川弁護士。さぞ、お腹立ちでしょう。彼女を紹介した側からうちの孫を利用してこんなことを……申し訳ない」
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