弁護士は相談料として愛を請求する
「……は?何言ってんですか、倉田さん……そんなこと聞いてませんよ」
「何度も言おうとしているのに、修也君を間に入れて話を聞こうとしませんでしたよね。ご自身のいいように周りに話してしまって、正直保育園では迷惑です」
「……なっ!?」
「一也。それくらいにしろ。それから、お前がそういうのを修也が見て育つのは悪影響だ。結婚というのは本人同士がキチンと話し合ってもちろん惹かれ合ってするものだ。子供を使って外堀から埋めるなど、最低の所業だ」
「父さんだって応援していただろ。堂本とのこともあって、倉田さんならいいって言ってたじゃないか」
「それは、お前がきちんと彼女とお付き合いを出来るならということだ。最初から、そちらの弁護士さんとお付き合いしていた彼女を取り上げて好き勝手するなんて、堂本副社長もお怒りだ」
「ふざけんな、父さんまであちらにつくのか。息子の俺を馬鹿にしてる」
「まあ、落ち着いて下さい、お二人とも……」