弁護士は相談料として愛を請求する
のんが間に入った。
「全部お前のせいだぞ。中途半端に彼女を囲ってるくせに。結婚する気ないんだろ?」
「一也!」
「……はあ。これじゃ、社長も大変ですね。どうして堂本が合併をもちかけたのか、あなたはお父さんからよくお話しを聞いた方がいい。社長、この際はっきり言うべきです」
「古川君……」
「それと、すずのことですが……」
のんは、一也さんを睨み付けた。声が一段低くなった。まずい、佐竹君の時と一緒だ。この様子だとまた……。
「あんたに言われる筋合いはない。俺と彼女のことは俺達が一番よくわかってる。結婚?俺達のタイミングで決めることだ。あんたに言われて決めることじゃない。ハッキリ言う。あんたは俺の恋敵にもなれない。修也が可哀想だ」
「のん!ちょ、ちょっと……言い過ぎよ。すみません、本当に口が悪くて……」