弁護士は相談料として愛を請求する

 社長はのんの勢いに目を見開いた。一也さんは真っ赤になっている。

「一也。お前の負けだ。古川君がどうこうじゃない。倉田さん自身がお前を見限ってる。彼女の職場にまで押しかけて迷惑をかけていることを反省しろ」

「修也は絶対納得しませんよ」

 私を睨み付けた。態度が豹変した。私はハッキリと言った。

「そうかもしれませんが、このままだと修也君のママどころか、保育園の担任も出来ないと思います。他の園児にも影響が出ていて、苦情も来ているんです。修也君を元の保育園に戻すかもしれません」

「なっ……」

「修也君には俺から話をしますよ」

「のん?」

「修也君とは友達です。あの日、すずは俺の彼女だから、欲しかったら俺と戦えと言いました。それでわなげで勝負して俺が勝ちました」
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