弁護士は相談料として愛を請求する
「そうだったんですか」
社長が驚いてのんを見た。
「欲しいものは努力して取ると言うことを教え直します」
一也さんはそっぽを向いている。社長はそんな息子を見て、悲しそうにしていた。
「修也君も入れて、きちんとお見合いをなさったらどうですか?それがいいかもしれないです」
私がそう言うと、睨まれた。
「古川君。じゃあ、修也の説得はお任せしてもいいだろうか?返す返す、申し訳ない」
「いえ。合併のはなしはよく副社長と話をなさって下さい。息子さんにもご理解が必要でしょう」
そう言うと、二人で立ち上がり、部屋を出てきた。
宝田製薬を出て疲れ切った私達は、一旦のんのマンションへ戻ってきた。外で話をする元気もないし、出来る内容でもなかったからだ。