弁護士は相談料として愛を請求する

 やっと話がまとまったお祝いだといって、のんはケーキを買って帰ってきた。私は紅茶を入れて、ケーキを前にふたりでようやく着替えて座った。

「それにしても、のんは言い過ぎだよ。本当にもう少しオブラートに包めないの?そんな口でどうやって弁護士なんてやってるのよ」

 チーズケーキを大きな口で食べるのん。甘い物が好きなんだよね。うちのママのマドレーヌも昔から大好物。だから、いつもママが持たせるんだよ。

「お前が絡むと俺は理性がなくなる」

「え?私のせい?そうじゃないでしょ」

「いや、確実にそうだな。俺からお前を奪う相手に話す時にはリミッターが自動で外れる」

「……なにそれ」

 喜ぶべき?いや、そうじゃないよね。何なのよ。
< 209 / 243 >

この作品をシェア

pagetop