弁護士は相談料として愛を請求する
「やっと気づいたか。あほすず」
「のんったら!」
のんは私を後ろから抱き寄せて首筋にキスをした。
「すず」
「何?」
「お前の親父さん、ここにこうやって来ているの知ってるのか?」
「お母さんには伝えてる。のんと付き合ってることや、堂本のパーティーに出たことも含めて」
「まあ、うちの親も知ってることだ。お前と付き合ってるのは姉さん経由で耳にしてるはず」
のんは私を自分の方に向き直らせて、顔を見合わせた。
「まあ、いずれきちんとするからもう少し待っていてくれないか」